2022年度 一般社団法人 大川青年会議所


理事長所信

第53代理事長 植木 剛



 

はじめに

1969年大川青年会議所が創設されて以来、明るい豊かな社会の実現という壮大な理念のもと、市民・行政の皆さまと手を取り合って今日まで歩んでまいりました。時代の変革と共に様々な困難を乗り越え、先人たちの努力の礎の上に今日も私たちがJC運動を展開できていることに感謝と敬意を表します。

2020年から続く新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延は、経済・社会・人と人とのつながりなどに様々な分断を発生させ、私たちの生活に今もなお大きな打撃を与えて続けています。ソーシャルディスタンス・三密回避・変異株・オーバーシュートなどコロナ前では聞いたこともないような言葉が今では当たり前のようにメディアで耳にするようになりました。また、私たちが日々展開している活動も国が発出する緊急事態宣言などにより様々な制限を受け、計画していた事業がオンライン開催に変更、または事業自体の中止を余儀なくされるなど大きく影響を受けています。

しかし、現在のこの状況を憂うより、故郷の明るい豊かな社会の実現を考え行動していくことが重要ではないでしょうか。今から73年前、戦後の焼け野原の中「新日本の再建は我々青年の仕事である」という設立趣意書のもと日本で初めて青年会議所が誕生しました。私たちJAYCEEは故郷の未来を担う責任世代として現状に向き合い、地域課題解決へ果敢に挑戦し、「明るい豊かなまち」の創造のために行動力を発揮する必要があるのです。行動は未知の可能性を引き寄せる最大の手段であると信じています。昨日より今日、今日よりも明日の未来を思い描き、今という時代から歩みを進めましょう。

 

 

産学官民の連携したまちづくり

 大川青年会議所は創設されて以来、様々なまちづくり運動を展開してきました。私たちがめざす明るい豊かな社会とは何か。それは、誰一人取り残すことなく、まち中が笑顔で溢れ、安全で安心して暮らせる社会の実現だと考えます。そのために、まずは直面している地域課題を的確に捉える必要があります。

2021年にJC宣言文が19年ぶりに改訂されたことにより、我々が展開する運動や事業の目的は社会の課題を解決し、持続可能な地域を創造することにあると明文化されました。大川市においても2020年に第6次総合計画が策定され、人口減少・少子高齢化や地域経済の活性化、防災やインフラ整備などの主要課題やSDGsの視点を取り入れたまちづくりに対する長期的なビジョンが示されました。大川市がめざす持続可能なまちを実現するために、私たち大川青年会議所が52年という歴史の中で培われてきた幅広いネットワークを活かし、地元企業、各種団体、大学との幅広い連携によるまちづくりの起点となり、地域一体でまちの課題に取り組む運動を展開してまいります。

 

 

未来に夢を描けるひとづくり

 新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響は、経済や社会に大きな打撃を与えただけでなく、子どもたちから様々な機会を奪いました。技術革新によるオンライン学習などで最低限の学校教育は体裁を保てているものの、屋外活動の自粛やコロナ禍の不安が与える精神的ストレスなど、心身の成長に大きな影響を与えています。2020年から文部科学省が定めた新学習指導要領に「生きる力」をはぐくむという理念を実現するために改定されました。変化が早く予測困難な時代だからこそ、子どもたちが自ら学び、考え、判断して行動することのできる力が求められると考えます。

さて、夢や憧れは希望をもたらし、様々な意欲を与えてくれます。格差社会が問題視されている現代において、競争社会でも力強く活躍できる人財を育成するために、子どもたち自身のキャリア形成について早期に興味や関心を持ってもらう必要があります。私たちは地域の青年経済人で構成されており、全国にネットワークを有する団体です。同時に、様々な職種の人財ネットワークを有する私たちだからこそ、故郷の子どもたちに幅広い職種と触れ合わせることのできる機会を生み出すことができます。本年は、子どもたちに自身の夢や憧れを抱いてもらい、「生きる力」をはぐくむ青少年育成事業を展開してまいります。

 

 

故郷を語らう同志の拡大

 会員減少が昨今の最重要課題だと謳われ続けてどれくらいの月日が経ったでしょうか。人口減少、多種多様な団体や新たなコミュニティの誕生。JCしかなかった時代からJCもある時代へと変化したことも会員減少の要因のひとつかもしれません。しかし、自分以外の他者のために奉仕ができる地域の若いリーダーを育てる団体はJC以外に存在しないと考えます。コロナ禍により相互扶助の必要性が改めて見直されていますが、青年会議所という学びやでは、「修練・奉仕・友情」というJC運動の根幹となる三信条のもと活動を展開していく中で、いつの間にか自分以外の誰かのために奉仕することができるようになる“心の成長”を得ることができます。

また、私たちはJCの活動を通じて故郷の抱える諸問題や現状について知る機会があります。まちづくりとは私たちの暮らしからかけ離れたものではなく、私たち自身がもっと身近な事と捉え、関わりをもち、創造していくべきことではないでしょうか。さらに、この団体を持続可能なものとするために、まずは私たち自身の資質向上を図るとともに団体としてのブランディングを見つめ直す必要があると考えます。このまちの未来を真剣に考え、議論し、より良い変化を望み、行動することで共感を生みだし、一人でも多くの意識を変えることがまさに私たちJAYCEEの使命です。そのような同志が一人でも多くこのまちに増えることができれば、故郷の未来はきっと明るくなるはずです。

 

 

時代に即した組織運営と広報活動

 近年、組織運営について「効率的な」というキーワードを掲げ、その取り組みを行ってまいりました。技術革新によって情報ツールが発達したことで、我々の活動に費やす時間を効果的かつ効率的に変化をもたらしました。例えば、非常時におけるWEB会議は場所を問わずに運営を進めることができます。しかし、画面上の会議はどこか机上の空論のような緊張感のない空気間を生み出してしまうのも事実です。利便性が増した一方で、団体としての一体感を維持するために、今まで以上にメンバー間の連携を密にし、心と心のつながりを大切にした組織運営に努めていかなければなりません。

 また、コロナ禍の先が見えない状況において、変化に対応する力とスピード感をもった決断が求められます。持続可能な団体であるために青年会議所としてのルールを守りつつも、その時々に合わせた適応能力を高めていく必要があります。

 時代と共に情報ツールは変化し続けています。紙媒体から電子媒体へ移行し、現在ではYoutubeやInstagramといった動画や画像を中心とした情報ツールへと移行しています。私たちが行うJC運動の目的や事業に対する内外への認知度を効果的に上げるために、時代に即した広報活動を展開してまいります。

 

 

LOMの活性化につながる出向者支援

 人は人と触れ合うことによってさらに成長できます。我々青年会議所は全国に約2万4千人の会員を有しています。福岡県内に限っても約1千人の会員を有しています。性別や職種は違えども、同じ志をもった同志との交流の機会は青年会議所がもつ大きな魅力のひとつだと考えます。2021年は第49回福岡ブロック大会大川大会を主管LOMとして開催し、県内各地会員会議所メンバーと触れ合う機会がありました。入会歴の浅いメンバーが多くなってきた昨今の大川JCにとって、この経験は個人が磨かれ、メンバー間の想いが重なることのできた貴重な機会であり、LOMの活性化に大きくつながることができたと確信しております。さらなるメンバーの成長とLOMの活性化につなげるために、また大川青年会議所から継続して出向者を輩出できるように支援を行ってまいります。

 

 

創立55周年へ向けた準備

 私たちはいつの時代も目に見えない故郷の明るい未来を創造し、活動を続けています。2019年は大川青年会議所が創設されてから50周年という節目の年を迎えました。アクションプラン2019ではSDGsを基軸としたまちづくり運動が説かれ、持続可能な大川市の実現に向けて「まちづくりのブランド化」について提言しました。創立55周年に向けた運動の方向性が現在の姿と合致しているか検証し、今後さらなる青年会議所の飛躍につなげるために調査・準備を進めてまいります。

 

むすびに

~笑顔は副作用のない特効薬~

 昨年、東京2020オリンピック・パラリンピックが1年という延期期間を経て開催されました。コロナ禍での開催に賛否両論ありましたが、国民の気持ちがひとつになり、多くの人々にスポーツを通じて勇気や夢や感動を与えてくれたのも事実ではないでしょうか。中でも、パラリンピックのある選手が健常者から身体障害者になってしまい、通常競技ができなくなり、ひどく落ち込んだ際に母親から「笑顔は副作用のない特効薬」という言葉をかけられたそうです。その言葉をかけられて以降、つらい時でも笑顔を絶やさないよう努力することでその選手に対して周りが変化し、病気に対しても競技に対しても応援してくれる人が増え、自身は周りの人々に対する感謝の気持ちがより一層強くなり前を向くことができるようになったそうです。

今という時代は困難な時代かもしれません。しかし、笑顔には周りをポジティブに変える大きな力があると信じています。私たちが目指す明るい豊かな社会とは多くの笑顔が溢れる社会とも言えます。笑顔が溢れる故郷のために、まずは自らが笑顔を絶やさないようにしていきましょう。そして、故郷や大切な人の笑顔を思い描き、より良い変化のために行動していきましょう。