2023年度 一般社団法人 大川青年会議所
はじめに
2020年より続く新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は変化せざるを得ない状況に一変しました。人々はみなマスクをして外出し、感染予防の実施や三密の回避などニューノーマル化が進んだ現在においてもまだ出口が見えない状況です。そのような中、突然始まったロシアのウクライナ侵略により原油価格などが高騰し、私たちの暮らしに大きな影響を与え、世界中が苦境に立たされています。しかし、このような厳しい時代においても青年会議所はそれを成長のチャンスと捉え、新しいJC活動の在り方を模索しながら次代へとつなぐ運動を展開し続けて行かなければなりません。
1969年大川青年会議所が創設されて以来、「明るい豊かな社会の実現」という壮大な理念のもと、市民の皆さま、行政の皆さまと手を取り合って今日まで歩んでまいりました。その時々において取り組む内容は違えども、時代の変革とともに様々な困難を乗り越え、大川・大木のまちのため、そしてそこに住み暮らす人々のための運動を行ってきました。少子高齢化や人口の減少など、時代の変化により会員が減少傾向にある今日もそれは変わることはありません。上述した新型コロナウイルスによって人々の生活様式や価値観さえも変わりましたが、その結果不必要なものは削ぎ落とされ、本当に必要なこと、価値が認められることが残る社会へと変化したように思います。これまでの常識が非常識となり、目まぐるしい変化を強いられる新たな波は私たち大川青年会議所の運動にもおよんでいるのです。今後、私たちが行う青年会議所運動は、この地域に暮らす人々により、まちにとって本当に必要なことなのか、価値が認められることなのかを問われるのではないでしょうか。
大川青年会議所の設立から53年に亘り先輩方がつないでこられたまちに対する情熱を絶やすことがないよう、歩みを止めず社会の変化に即した運動へと進化させ、地域課題解決へ果敢に挑戦し、「明るい豊かな社会」の実現のために強い覚悟をもって行動する必要があるのです。
現代を担う青年経済人としての自己研鑽
2018年、日本青年会議所の定款のなかに「個人の機会、地域の機会、国際の機会」に加えて「ビジネスの機会」が明記されると、近年の青年会議所ではこの「ビジネスの機会」に対して注目が集まっています。明るい豊かな社会の実現に向けたまちづくりを行うためにはJCの4つの機会を活用し、様々な研修や事業、たくさんの人との出会いから得ることができる学びによって自己研鑽に努め、まずはそのまちを牽引する人財を一人でも多く育てる必要があります。
私たちは大川青年会議所の一員である前に、このまちに住み暮らす一市民であり、仕事をもつ青年経済人です。JCで得た知識や経験とネットワークを企業や仕事に還元できれば企業力の向上につながり、企業が元気になれば、ひともまちも元気になっていきます。本年度は、例会や人財育成事業をとおしたJAYCEEとして必要な知識の習得だけでなく、企業発展につながる事業を実施し、個人のスキルアップを促すことができる活動に努めてまいります。メンバー一人ひとりが成長し、家庭へ、企業へ、まちへと寄与していくことが明るい豊かな社会の実現への一助となります。
未来を創る人財の育成
新型コロナウイルス感染症の影響により、子どもたちは多くの活動が制限されています。ソーシャルディスタンスによる人的距離や給食時の会話など制限、運動会や修学旅行などが中止または開催方法の変更、学校外での友人との遊ぶ機会の減少など多岐にわたっています。大川青年会議所の事業においても子どもたちを交えての様々な体験をとおした経験や思い出を創る機会が少なくなりました。地域社会に影響を与える団体としてアフターコロナを待ち続けるのではなく、率先して行動することが重要です。
「明るい豊かな社会」の実現の根底には、未来を担う子どもたちの健やかな成長は欠かせません。地域の方々や他団体とも連携し、人と人との交流やつながりによって築かれる思いやりある感受性豊かな人財を育成していくとともに、子どもと我々大人が一緒に成長することで、社会環境へ好影響を与えていくことができます。
次代へつなぐ同志の拡大
会員の減少という言葉が毎年のように叫ばれ、会員拡大が喫緊の課題だといわれ続けていますが、では一体なぜ会員拡大を行わなければならないのでしょうか。「会員が減少し続けると会の存続に関わるから」「一人ひとりの負担が増え、その結果メンバーの活力低下につながるから」などの消極的な理由ばかりではありません。
青年会議所では、『より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること』を使命としています。一人でも多くの青年が地域社会の課題に対し主体的に考え、行動を起こすことができ、地域の発展に寄与する人財へ成長することが、明るい豊かな社会の実現のための大きなエネルギーとなります。そして、新しい仲間は会員や組織に新たな価値観や刺激をもたらし、私たちの活動・運動の影響力を増幅させ、組織の活性化にもつながり、地域の皆さまから必要とされる組織であり続けることができます。本年度が大川青年会議所の重要課題である会員拡大にとって大きな起爆剤の年となるよう、全員拡大をキーワードに様々な手法を活用して新たな同志の発掘を行ってまいります。まずは私たち自身の在り方を見直し、候補者が入会したいと思える、次代に必要とされる会員拡大にLOM全体で一丸となって邁進してまいります。
ニーズに合わせた戦略と効果的な広報活動
大川青年会議所の認知度は社会においてまだまだ低く、広報を含め、ブランディングが進みにくい現状があります。JCしかない時代からJCもある時代へと変わり、多くの団体がそれぞれ特色のある運動を展開している中、青年会議所がどのような団体で、何を目的にどのような運動を展開しているのか。それを理解していただいている方がどれだけいるでしょうか。
どれほどよい事業を展開しても、市民の皆さまからの共感を得なければ成果は薄くなってしまいます。インターネットやSNSの普及により膨大な情報を取捨選択しながら生活している一方で、我々が情報を発信する立場になった時、ただ漠然と発信しているだけでは伝わりません。運動を効果的に展開していくには、コンテンツの充実と時代のニーズや用途にあわせた媒体の選定など戦略的な広報活動が必要不可欠です。私たちは多くの事業を開催し事業ごとに広報をしておりますが、青年会議所の魅力とは、地域社会の課題解決のために運動し、青年が社会によりよい変化をもたらすための発展と成長の機会を提供することにあります。その魅力をまちに対する熱き想いと共に広報活動で発信してまいります。
出向者の支援と絆の構築
出向は、他LOMのメンバーとの様々な活動を通じて交流し運動を進める中で友情を育み、各々が切磋琢磨することで自己研鑽を図ることができる貴重な機会です。出向したことにより得られる人脈の拡大や新たな発見と経験は自らの糧になるだけではなく、大川青年会議所の未来を創る原動力となるLOMの財です。だからこそ、勇気を出して挑戦への決意をしていただいた同志の背中をLOMが一丸となって支え、支援してまいります。
また、2023年度は第51回福岡ブロック大会を柳川青年会議所が主管のもと開催をされます。同じ第5エリアのLOMとして、同志としてこのブロック大会への積極的な支援を行い、絆をさらに強固なものへと昇華していきます。
創立55周年へ向けた準備と姉妹締結50周年
2024年には大川青年会議所創立55周年の節目の年を迎えます。50周年で提起したアクションプラン2019を検証し、目まぐるしく変化する社会情勢とニーズに合わせた新たな方針を築いていくための調査と準備を行ってまいります。
また、本年は台湾の基隆國際青年商會との姉妹締結50周年の年でもあります。青年会議所の三信条の一つに世界との友情があり、志を同じくする仲間が世界中で活動をしています。諸先輩方より受け継がれている友情の絆をさらに強固なものとするべく、このような時代でもできることを模索してより一層交流を深めてまいります。
むすびに
大川青年会議所は、これまで創始の精神を引き継ぎ英知と勇気と情熱をもち運動を展開してまいりました。いつの時代も明るい豊かな社会の実現に向け先輩方が挑戦をし続けてきたからこそ、今の私たちがあります。40歳までというかぎられた時間の中で挑戦しなければ得られないものを1つでも多く掴んでいただきたいと思います。そしてそれができる大川青年会議所であり続けてほしいと強く思います。苦しいこともあると思いますが、まずは勇気を出して青年会議所の運動に前向きに取り組んでみてください。そこには必ず自身の成長につながる機会があります。そして皆さんの成長が家族や企業、まちへの貢献につながり、大川青年会議所が地域の皆さまから必要とされる組織であることができ、それがまたメンバーの皆さんに様々な機会をもたらしてくれるものと確信しています。支えていただいている周りの方々への感謝を忘れずに、このまちの市民として、家族をもつ者として、青年経済人として、未来を切り開く大川青年会議所のメンバーの一人として強い覚悟をもって挑戦し続けましょう。挑戦は必ず個人の成長を促し、まちの発展へとつながります。
2023基本理念・基本方針 ー2023年度理事長所信 ー2023年度組織図
2023年度役員紹介 ー副理事長として ー専務理事として ー事務局長として